ずっとその子のことが好きなんだ…。





「ごちそうさまでした。すごく美味しかったです」


「いえいえ。よかったら、また来てね」



小山くんが洗い物をしに奥に行っている隙に、大智さんに挨拶をして帰ろうとする。



「あ、愛花ちゃん。もう夜遅いし、朔夜に送らせるよ。お客さんも少ないし、お店は俺一人で大丈夫だから」


「え」


「あ、ちょうど戻ってきた。朔夜、愛花ちゃんもう帰るみたいだから送っていってあげて」


「ああ」



大丈夫です、と断ろうとしたが、喉が締め付けられたかのように言葉が出てきてくれなくて、結局小山くんとお店を出る。



「あ、あの、おごってもらっちゃってごめんね!怪我の手当までしてもらったのに…ふえっくしゅ!」