「ついてる」



小山くんが口の端についていたのであろうホイップクリームを指の腹で拭ってくれた。



「あ、ありがとう…」



恥ずかしすぎる…。


小山くんは赤くなっている私にふっと優しく笑った。



…どうしよう。


小山くんの笑顔を見ただけで胸がギュッと掴まれたかのように苦しくて、でも嬉しくなる。


この気持ちって…。



–––––「朔夜は気づいてないみたいだけど、その子に恋しているんだってこともね」



…そうだった。小山くんは、誰かに恋をしているんだ。