「…ついてきて」


「…え?」



小山くんにぐいっと腕を引かれ立たされると、そのまま有無を言わさずに引っ張られた。



「あ、あの、どこ行くの…?」


「もう着く」



小山くんは駅前から徒歩3分くらいの裏路地に入っていくと、地下に続く階段を下っていきカフェのようなお店に入っていった。


戸惑いながらもその後に続いていく。


不思議と怖いと思わなかったのは、小山くんの手が優しいようななぜかそんな気がしたからだ。



「朔夜おかえり…って、その子は?」



中にはちょうどお客さんが誰もいなくて、カウンターに立っていた優しそうな眼鏡の男の人が私を見てきょとんと首を傾げていた。