「ふふ、内緒」


「えー?どういうことよ」



–––「世界で一番大切な宝物だからね」



顔も知らなかったお父さんが私を本当に大切に想ってくれていたことを、時を越えて知ることができた。


もう一度出逢うことができてよかった。



「ねえお母さん」


「ん?」


「私も世界で一番お母さんとお父さんが大好き」



夜空では、眩しい街に負けないように満月が光を放って優しく輝いていた。