そういえば小さい頃お母さんに「–––の笑顔が世界で一番好き」と言われたことがあったっけ…。


いつからお母さんと笑い合わなくなっちゃったんだろう。


もうずっとお母さんの笑顔も見ていない気がする。



「親はな、子どもが本当に何よりも大事なんだよ。おまえが思ってるよりずっと、おまえのかぁちゃんはおまえを愛してるよ。だから、帰りな。おまえを待っている、大切な人のところに」


「私、は…」



帰りたい。


帰ってお母さんに謝ろう。



「え、なにこれ…っ」



突然体が光り出したかと思うと、この世界から消えるのかだんだんと体が透明になってきた。


その光は私を元の世界に戻そうとしているのだと、なんとなくわかってしまった。



「はー未来人に会うなんて、今日は忘れられない夜になりそうだな。楽しかったよ」