私のお父さんは物心がついた時からすでにいなかった。


私がまだ0歳の頃に事故で死んじゃったから。


それからお母さんは女手一つで働きながら私を必死に育ててくれた。



だけど私はそれが嫌だった。


ただのわがままだし最低だって自分でもわかっているけど、顔もわからない死んじゃったお父さんなんてもういいから、新しいお父さんがほしかった。


だけどお母さんはその私の願いにいつも困ったように笑うだけで、叶えてくれることはなかった。



いつしかお母さんが鬱陶しく思うようになり、反抗ばかりするようになった。


きっとお母さんだって、こんな迷惑ばかりかける娘が嫌いに決まっている。



「たとえどんなことをされても、親が子どもを嫌うことなんて絶対にねぇよ」


「…え？」