「夜に女子高生がこんな場所で一人何してるんだ?家に帰らないとかぁちゃんが心配するだろ?」


「別に、うちのお母さんは心配なんて…」



しない、と続けようとした言葉は、いつもと違う景色によってどこかに消えていった。



「え…?ここ、どこ…?」



さっきまで立ち並んでいたビルや、人で埋め尽くされていた交差点が綺麗さっぱりなくなっていた。


何もない広場の中、ぽつんと時計台と私が倒れたベンチだけが置いてあるようだった。



「街はどこに消えたの…?」


「さっきから何言ってんだ、おまえ?ここは昔からこんな感じだろ?」


「いやいや、そんなわけ…」



一体どうなっているの?