「ちょっと、制服のまま寝ないでって何度言ったらわかるの!」



気持ちよく眠っていると、突然上からお母さんの不機嫌な声が降ってきた。



「もー…なに、うるさいな…」


「うるさいな、じゃなくて。最近も夜遊びばっかりして、珍しく早く帰ってきたかと思ったら何もせずに制服のままゴロゴロして…。少しは家事手伝ってくれてもいいでしょ?お母さんだって仕事で疲れてるのよ」



小言を言ってくるお母さんに、わざとでかいため息をつく。



「うっざ、もう私のことは放っておいてよ!」


「どこ行くのよ、–––っ!」



私の名前を呼んでくるお母さんの声に聞こえないふりをして、家を飛び出す。



最近お母さんの言動一つ一つが全て煩わしいと思ってしまう。


家にいても喧嘩ばかりするようになり、いつしか帰ることすら嫌だと思うようになっていた。