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昼休み、桜楽が生徒会の仕事だと呼び出されて、教室を出ていった。

桜楽は優等生だし、生徒会役員の仕事もこなしている。

やっぱり、桜楽はすごいな…。

素直に尊敬の気持ちで、忙しそうに教室を出ていく桜楽の背中を見送る。


と、急な不安感と寂しさに襲われた。

…やっぱ、桜楽不足だ。

昼休み、いつも俺と過ごしていた時間を生徒会に奪われるようになって…桜楽と過ごす時間が減ってしまった。


教師に、あんまり桜楽をこき使うなと言わなければな…。


俺は高ぶった気分を鎮めようと目を瞑る。

桜楽が矯正してくれたのに、時折こうして不良児だった頃の片鱗が顔を出す。


俺はそれを抑え込もうと、必死になって息を吸う。


収まったか、そう思って目を開いたときだった。