その次の日から、俺へのイジメはなくなった。

桜楽は優しくて皆から信頼されていたし、そんな彼女が俺をイジメていた奴らに「碓氷くんはいい子だよ!」って説得してくれたから。

怯えられたり、気味悪がられるのは完全にはなくならなかったし、桜楽に近づくなと何度も言われた。

それに、俺は桜楽以外の女子と喋れなくなった。


だけど、そんなのどうだってよかった。


俺は、それぐらいに幸せだった。



あの、桜楽に救われた日を境目に、俺は変わった。


不良みたいな真似をしなくなったし、勉強も運動も…何もかも、優秀になれるように努力をした。

できる限り誰にでも優しくして、いつも笑っていて、全部の教科で学年トップになれるように頑張った。


その全ては、桜楽のため。

桜楽にふさわしい男になるため。

桜楽のためなら、俺は何だってできた。

桜楽の、彼氏になるためになら…!