放課後、女子からのイジメが終わって…俺は、久しぶりに泣いてしまったんだ。
もう限界だった。苦しいって、そんな思いが涙になって溢れ出した。
その音が聞こえたのか、桜楽は俺を探しに来てしまった。
それでも、かすかに残っていた俺のプライドが邪魔をした。
いや、プライドなんてなかった。俺の弱さが、さらけ出てしまった。
「俺が悪いやつだから…みんないじめるんだよ…。俺がっ…、俺が、俺…。
俺っ…なんで、こんな…」
こんな人間なんだろう?こんな事になったんだろう?
言葉も語彙もぐちゃぐちゃで、ああ、この子にも嫌われたかな、なんて思っていたときだった。
頭に、ふわりと優しい温かみを感じた。
泣いて、つむっていた目を恐る恐る開く。
座り込んで泣いていた俺に、しゃがんで目線を合わせてくれている桜楽。その手は俺の頭に伸ばされていた。
叩かれる?と少し思ってしまったけど、優しい肌触りが違うことを証明していた。
頭を撫でられている、と認知するのに少し時間がかかった。
だって、こんな俺の頭を撫でてくれる人なんて、両親以外にいなかったから。