「友達」で、「片思い」の、少し特殊で、だけどありきたりな関係性。
これが、私達の「友達」の、私の「片思い」の距離なんだ。
私達は何気ない世間話をしながら道を歩く。
生徒会や保健委員の仕事がどうとか、給食が美味しいとか、そんなの。
私達が学校で話しているようなことと何ら変わらない。
だからこそ、嬉しくて、苦しかった。
ここから、どうやって話を切り出そう。
告白なんてやったことも、されたこともないから、どうやったらいいのかなんてわからない。
だけど、そのチャンスは唐突に訪れた。
「で、話って?」
祐月がふと足を止めて、私にそう聞いてきた。
場所も住宅街ではなく、川の側の人通りの少ない道。
クラスメイトや学校の人も、今は誰一人として通っていない。
「え?」
思わず、はぐらかしてしまう。
なんとなく、気恥ずかしくなっちゃったんだ。