私が告白をしなかった理由。
―――できなかった、理由。
それは…。
『祐月の彼女になりたくないから』
矛盾しているようで、気持ちは矛盾していない。
祐月が好きなまま。
椅子を揺らしながら、ぼうっと考える。
私は、男女共に仲が良い。
心配されるのは幸せなことだけど…女の子たちの中には…私に、過保護な友だちもいる。
私に近づく男の子全員に威嚇して、恋愛感情がないか確認して…。
心配してくれるのは嬉しいし、友達がたくさんいるのは楽しい。
だけど…。
昔、祐月がイジメにあっていたことがある。
私は祐月に声をかけていたんだけなんだけど…友達の目には、そうは映らなかったみたい。
祐月をイジメていたのは…私の、友達だった。
祐月がイジメられた原因は、「私と距離が近かった」から。