勝手だけど、私がライバル認定している女の子二人だ。
「碓氷くんがいいと思いまーす!」
「碓氷くんならリーダーシップもあるし、カッコいいし、できると思いまーす!」
「え、俺?」
指名されて、大変面倒くさそうにしている祐月。
やっぱ嫌がるよね…。推薦しなくてよかった。
内心、少しだけホッとするけど、まだ油断はできない。
祐月を推薦してくれたことは嬉しいけど、推薦したのがライバル視している彼女らっていうのが…ちょっと、ちょっとだけ複雑。
「たしかにいいじゃん。俺らも祐月とならうまくやれそうだし」
「祐月、頼むっ!」
応援団に入った男子たちからも再度推薦され、額にシワを寄せて不機嫌オーラ全開の祐月。
だけどパンっと手を合わせられて、拝むようにお願いされている。
祐月はいい子だから、そういうのされると断れないっていうか…。
「…しょうがない。わかりました、やります。」
決意を固めた表情で、手を挙げた祐月。
体育委員や先生も、ここで話し合いが止まってしまうのは避けたかったのか、感謝の表情を浮かべている。