祐月も、言った本人である私も、しばらく何が起きたか分からなかった。

理解した瞬間。

祐月の顔が…真っ赤に染まった。


それを見て、私も下がった熱がまた昇ってくるのがわかる。


な、何やってるの、私…!


言葉に出来ないほどの羞恥で、顔が真っ赤になってしまう。


夢の中で、心の中で、告白の練習なら何回もやった。

大好きだよ、と伝えるシュミレーション。

何回も何回も繰り返して、何個も何個も考えた。

でも…!

その中に、こんなのってないよ…!

こんなシチュエーション、本で読んだことも、考えてみたこともないのに…!


私の頭の中が、真っ白になっているとき。

祐月の声が、頭上から降り注いだ。




「はいはい。わかったわかった。」



思ったより穏やかで、いつも通りの声音に、驚いてしまう。

え?と顔を上げると、耳まで真っ赤になって、そっぽを向いている祐月がいた。

この反応は…?

冗談だと思っているのか、照れているのか…どれなんだろう…?

見つめ合い、お互いが困惑する中、授業終了のチャイムが鳴った。

私はこれ幸いとばかりに立ち上がり、急いで教室に戻った。