男の子全員が走り終わり、休憩を挟んで。

次は、私達の計測だ。




「祐月、お願い」

「頑張れ」



祐月に計測用紙を渡して、位置につく。




「位置についてー」



もう一度、耳を貫くようなスタートピストルの音が響く。

私は引いた右足で地面を蹴って、空気を切るように走る。

私達は一斉に足を動かして、トラックを周っていく。


…マラソンみたい…。

これを何周もするのは、キツいかもしれないな…。

でも、なんとなく思っていた。


負けたくない。


祐月には、負けたくない。