『頑張れー!』
女の子たちの高い声の声援が校庭に響く。
私も負けじと声を張り上げた。
「頑張れー!」
祐月は私の応援に、少しだけ顔を上げる。
「祐月ー!頑張れー!」
祐月、頑張れ…!
見てるよ…!
私達の居るところに、祐月が近づく。
「祐月、あと二周!」
私の言葉に、祐月は汗だくの顔でかすかに頷く。
周回遅れが出ている中、祐月はトップ争いに食らいついている。
祐月の今の順位は、2位。
「祐月!頑張れ!」
祐月はすでに頑張っているんだろうけど、どうしても期待してしまう。
祐月なら、と。
祐月なら、1位になれるんじゃないか、と。
私が叫ぶと、同時に祐月の足取りがわずかに早まった。
ゴールまであと少しというところで、祐月は1位の人を抜かし…
見事、1位でゴールをした。