だけど、それは一瞬だった。
流空は覚悟を決めたような顔で、口を開く。
正直、私はこの次に言われる言葉を予想できない。
流空は今、どんな気持ちなんだろう―――。
「頑張れよっ!」
大きな声で、全く予想していなかったことを言い出す流空。
頑張れ、って…。
「お似合いじゃん!桜楽と祐月!ちゃんと告ればイケるよ!」
真っ直ぐで、キラキラした目で…私を見る流空。
この目が、流空の一番好きなところ。
「絶対、祐月も桜楽の事好きだから」
確証もないのに、そんな事を言う流空。
ただの励ましだと思うけど…でも、嬉しかった。
本当、流空は不思議な子だな…。
普通、好きな人に好きな人がいるってわかったら、自分が好きになってもらえるように頑張るか、身を引くかだと思う。
だけど、祐月は応援した。
身を引く、に近いかもしれないけど…恋敵を応援するっていうのは、きっと、誰にもできることじゃないと思う。
少なくとも…多分私は無理だと思う。
だから、すごいと思うよ。