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 次の日、私はいつものように早めに家を出て、学校に向かう。

朝の空気を吸って、心地よく一日をはじめたいんだ。


教室に入ると、今日も私以外の人は一人も来ていない。

朝学習の時間より30分も早いんだから、当たり前か。


家から持ってきた小説をいくつか取り出して、昨日の続きから読む。

朝の早い時間は、大抵こうして本を読んで過ごしているよ。

読書は好きなんだ。


物語の主人公になって、冒険したり、恋をしたり…。

そうやって過ごすのはすごく楽しい。


15分ほど時間が経つと、A組の方に足音がした。

…もしかして。

脳裏に一人の人物が浮かんで、教室からちょっとだけ顔を出す。