顔を上にあげて空を見上げると、小鳥がさえずりながら雲を横切る。

私は不意に、流空の言葉を思い出した。




『付き合う気は、ないんだよ』



あれって、どういう意味―――?


ああ言った流空の表情は、読めなかった。

だけど苦しげで、悲しげで、寂しげで…。

どこか嬉しそうで。


どういう感情で、ああ言ったんだろう。

どうして、付き合おうと思わないんだろう。


私は…祐月と、付き合えるなら付き合いたい。

恋人になりたい。

祐月を…私のものにしたい。

ずっと一緒にいたい。


流空は、そうじゃないの…?

流空の気持ちがわからなくて、私は眉間にシワが寄るのを感じた。



あー、ダメダメ!

変に気に病んじゃダメ!

指で眉間をほぐす。