* * *



 流空と別れ、通学路を歩く。

家の前には桜並木があって、葉桜と桜が混じり合った色が揺れている。

私の心も、同じように風に揺さぶられている。





「はぁ…」



思わず、ため息が出てしまった。

それが何に対してかなんてわからない。




流空の好きな人は私。

私の好きな人は祐月。

祐月と流空は親友。





「こんなことって、ありえるの…」




三角関係なんて、アニメや漫画の中のお話だと思っていたのに。

まさか、自分が三角関係の中にいるなんて、思いもしなかった。



これが現実なのか夢なのかわからなくなって、「うぅ〜」とうめく。