「ねーえー。結局好きな人って誰なのー?」




ずっと聞き続けていたら、流空はたいてい折れてくれる。


流空はなんだかんだで優しいし、秘密っていうのが苦手だから。


二年間も一緒にいたんだもん。

お互いのこと、ちょっとは分かってる。



まぁでも、誰だろうと大丈夫!私は応援する気満々だからね!

私は期待に満ちた眼差しで、流空を見つめる。

流空は顔を赤くして「あー」とか「うー」とか言って視線をさまよわせる。




「いや、やっぱ…」

「ねぇっ!だれ⁉サエちゃん⁉サユちゃん⁉」




私の追求に、押されている流空。