うーんと頭をひねりながら流空の姿を探す。

と、散りかけの桜の木を眺める流空を見つけた。

…どこかはかなげで、悲しげなその姿。




「…流空?」





思わず、彼の名前を呼んだ。


なんでだろう。

流空が桜吹雪と一緒に、消えちゃう気がしたんだ。


と、流空がこちらに気づいて逃げ出す。




「あっ、待ってよー!」




自分で約束しといて逃げ出すなんて…!

まぁ、好きな人言うのは恥ずかしいのかな!

そんなところも可愛いけど!


 曲がり角で油断している流空に忍び足で近づいて、カバンを軽くつつく。




「るーくっ!」

「うぉあっ!」




面白いくらいに大きな反応をする流空。思わず腹を抱えて笑ってしまう。

あいっかわらずだなあ。流空は。

どっか抜けてて、でも優しい男の子。

私の、最高の親友。