どこか、温かい声だった。



起き上がろうとすると、やんわり「だーめ」と抑え込まれ、渋々ベッドに寝転がっていた。

目をつむっていると、おでこにひやりとした感触が走って、目を開けたら祐月が微笑んでいた。



柔らかく、暖かく、私を見て微笑んでいた。







好きだ。







そんな太陽のような笑顔に。

その笑顔を浮かべた祐月に。

そう、思ったんだ。


眠たくなって、まぶたが落ちてきて。

祐月がなにか言ったんだけど、それだけはよく覚えていない。




「桜楽は…………だから」



私の、初恋の日。




* * *