祐月も怒っている様子はなくて、ほっと息を吐く。
「桜楽が可愛いのはしょうがないし…。次、勝負するときはもっとコテンパンにするけど、それでもいいなら」
「次は俺が勝つからいい!」
まるで兄弟のようなやりとりに、ちょっと微笑ましくなったのは秘密。
「俺には桜楽がいるから。コテンパンなんて夢の夢だ!」
「お前がそんなこと言うのは100年早い!」
じゃれ合うように喧嘩する二人。
何事かと周囲が騒ぎ出してしまったので、慌てて私は二人を止めに入った。
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