「祐月、お疲れ様!すごかったよ!」

「ありがと…。これで、流空も諦めたかな。」



安心したように笑う祐月。

私は祐月に、恐る恐る抱きついた。


祐月は頬を緩ませて、私の頭を撫でてくれる。



「もう誰にも渡さない。俺の可愛い桜楽」

「大丈夫。誰にも渡されないよ。私は祐月の彼女だもん」



私は、祐月の彼女だから。


* * *


結果、青団の優勝。


閉会式で、祐月は校長先生から優勝カップを頂いた。

流空は悔しげに、2位のカップを受け取っていた。


そして、団長からの言葉。



「勝ててよかった!何より、楽しめた!最高だった!ありがとう!」



祐月は満面の笑みで、そう言った。


流空は悔しそうだったけど、穏やかな目で赤団を見渡した。



「悔しい。あと一歩で、勝てたんじゃないかってずっと思ってる。でも…今回は、負ける。でも大切な体験になった。ありがとう」



「「「これで、体育祭を終了する!」」」



3人の団長の声で、長いようで短いようで…楽しかった体育祭は終わりを告げた。



* * *