我に返った流空は、なぜかこちらに向かってくる。

え?

こっちにあるのかな…?


そして流空は、私の前で止まると、祐月の方を向いた。



「祐月、桜楽借りるよ」

「えぇ…」



あからさまに嫌そうな顔をする祐月。

だけど流空はそれに構わず、「じゃ、桜楽ちょっと来て!」と私の腕を引く。



他の人がお題のものを探すのに苦戦している中、流空はまっすぐゴールに向かって走っていった。


私を連れて。



「それでは佐々木さん!朝浜さんを連れてきてしまったわけですが、気になるお題は?」


「はい!俺のお題は『好きな人』です!」