「っていうか、桜楽、油断しすぎ。」

「え?」



油断…?



「俺と祐月、勝負してるのに。俺が勝ったら、どうなるかわかってるの?」



そういえば、明確にどうなる、っていうのは聞いていなかった。

そういうことで言えば、たしかに油断しているのかもしれない。


でも…。



「友達のことは、応援したいよ」




私がそう言うと、流空は「桜楽らしい」と笑ってくれた。



「でも、俺が桜楽のこと大好きだってこと、忘れないでね?」



ちょっとだけ顔が赤くなっちゃったのか、流空がふふっと微笑む。


は、恥ずかしい…。



「じゃあねー、桜楽」



流空は楽しそうに、退場していってしまった。



* * *