「大丈夫?桜楽」

「サエちゃん⁉」



ずっと前を走っていたはずの友達が、私の隣に来ていた。

他の友達も。



「桜楽はいっつも頑張ってるからね!」

「先生と生徒会の人からお願いされたの〜」

「あと団長たちから!」

「私達からでもあるよ!」

「点数は桜楽にあげる!これは私達からのお礼!」

「不正とか今回はナシね。プレゼントだから!」



微笑む彼女たちが、天使に見えた。


ゴールラインには、見知った人が見える。



「行っといで、お姫様。王子様が待ってるよ」



私の背中を押す声。

私は足に精一杯力を込めて、ゴールを走り抜けた。