ラインに並ぶ。
そして改めて、このメンツの恐ろしさに気づいた。
小学校でシャトルラン1位だった女の子。
市のマラソン大会1位の子。
学年最速記録を叩き出した子。
このメンツに、太刀打ちできる気がしない…!
そのまま大きなピストルの音が響く。
私達は一斉に走り出した。
置いていかれないように、ただ、走る。
と、2周もしないうちに息切れしてきてしまった。
私はたくさんの人の視線を受けながら走る。
祐月も、流空も。
応援団の二人も、私を見ている。
声援、応援団の演舞が目に映る。
祐月の声。
祐月の声を聞くだけで、なぜか足に力が入った。
そうだ。
祐月が頑張ってるのに、最下位なんて情けない!
足が痛い。肺が痛い。
風に乗って祐月の声が聞こえる。
私は祐月の声に背中を押されて走る。