「で…何してたんだ?流空」
祐月の目線の先には、流空がいた。
流空は私達をぼうっと眺めていた。
けど、祐月に話しかけられてへらりと笑う。
「告白してた。それがどうかした?」
「こんな時間、こんな場所で?」
「質問を質問で返さないでよ〜」
「いいから言え!」
本気で怒っているみたいな祐月と、へらへらしている流空。
ピリピリした雰囲気で、私は心配になる。
「ムード作るのは苦手なんだってば」
む、ムード…。
告白っていうか…。告白、なのかなぁ…?
張本人の流空が言うなら、そうかな…?
「祐月の方こそ…慌ててたみたいだったけど、どうかしたの?」
「…もう練習始まってんだよ。赤団の団長がいなくなって大騒ぎ、その上生徒会でも桜楽がいないって騒いでるし。」
あっ、そっか。
あまりのことに頭から抜け落ちていたけど、私は生徒会の仕事があったし、流空は応援団の練習から抜け出してきたんだもんね。
流空は「ふーん」と値踏みをするみたいに祐月を見ている。