ガコンッ 「ん?」 流空の目が、扉の方に向く。 一つしかない扉が開きかけているとわかり、流空は私から手をはずす。 なんでだろう。 私は光が漏れ出している扉の方に恐る恐る近づいた。 ここにいるのは、きっと。 「桜楽…!」 ずっと会いたかった人。 ずっと聞きたかった声。 「祐月っ!」 扉を開け放った彼は、光を背に受けて青色の色彩をなびかせていた。