桜楽は祐月が好きだ。

祐月も桜楽のことが好きだろう。

当然だ。あんな完璧な女の子、好きにならないほうがおかしい。



俺は敗北を悟っていた。


幼馴染で俺よりも付き合いの長い二人。

俺が太刀打ちすることはできない。



だけど。



負けられない。

負け戦であろうと、挑まなければいけない。



桜楽は渡せない。


俺にとって、桜楽はこの命も同然。


桜楽は俺に必要不可欠なんだ。



祐月。


お前と桜楽にどんな絆があろうと、桜楽は譲らない。


桜楽は俺の彼女になる。


桜楽は俺の唯一で、特別。

桜楽の声を聞かないと生きた心地がしない、ずっと一緒がいい、ずっと触れていたい。