俺は、俺の母親を馬鹿だと思う。
愛してたんなら、捨てられるなよ。噛みついてでもついていけよ。
正直、そう思う。
だから俺は素直に人の愛を信じられなくて、信じられたものに依存してしまうんだと思う。
姉も弟も…もちろん俺も。
そんな壊れた過程で育った俺達は、俺達だけを信じていた。
だけど、俺たちの生まれた家は俺の最愛の姉弟もを壊していった。
すべてをなくした母親、姉、弟を見て。
幼い頃の俺は何を思ったか、もう覚えちゃいないけれど。
俺は一人、家族をおいて逃げた。
神様、これは俺への罰でしょうか?
俺は前世で、何をしたのでしょうか――――
―――そして俺はこの街に引き取られ、「佐々木流空」として生きることになった。