祐月に失恋して、流空は一番近くで支えてくれた。

何より私を思ってくれる姿に、私は…なにか、感じるかもしれないと思っていたんだ。


―――悔しい。


それだけがあふれる。


私は祐月が好きだと、祐月だけが好きだと。

そう言い切れない自分が悔しい。

私が好きなのは祐月だけなのに。

ほんの少しでも揺らいでしまった自分が、その思いにブレーキを掛けている。



流空は私の耳元に唇を近づける。

私の頭の中は真っ白で、どうしようという言葉だけが周っていた。





「桜楽…早く俺を好きになって」