「…祐月は、親友。」
流空の言葉に、祐月を嫌ったりはしていないんだと息を吐く。
「桜楽には及ばないけれど、祐月のことだって大切に思ってた。
だから…二人で選んでほしかったんだ。俺と桜楽が一緒にいる未来を」
それでも、流空が歪んでいるってことに変わりはなかった。
「それって、どういうこと…？」
私が祐月にふられる。
それが「未来を選ぶ」に繋がるのなら。
嫌な予感で、背中がじっとりと濡れる。
少し。ほんの少しだけ、その理由をわかっている自分がいるんだ。
うっとりと、とろけるような目をした流空。
ゆっくりと、揺るぎない自信をみなぎらせて、私への答えを彼は紡いだ。
「祐月が居なければ、桜楽は絶対に俺を好きになる」
流空は、そう断言した。
私は何も言えなかった。
その言葉が、私の予想通りだったから。
