「やっぱり…」




流空は、ささやくようにやっと言葉を発した。




「やっぱり、祐月は桜楽をふっちゃったんだ……」




悲しげ…でも、嬉しそう…。

よくわからない流空の表情。それに私は少しだけ恐怖を感じる。




「お似合いだと思ってたのになぁ…」




ゆっくり、噛みしめるような流空の言葉。


流空は自分の言葉をしっかりと頭に刻み込んでいるみたいだった。




「でも、祐月は桜楽をふった。俺の予想通り」




私は、最後の一言が気になった。



「“俺の予想通り”?」




オウム返しをする私の言葉に、流空はゆっくりと頷く。



「バカだよねぇ、祐月。でもそれが祐月のいいところか…」



正気を失ったみたいな流空。


どうしたら、もとに戻るんだろう…?