流空が突然、私の腕を掴んだ。



「ちょ、ちょっと、流空っ!」



私は流空の腕を引っ張るけど、流空は何も反応しない。

ただ私の腕をつかんで、そのままどこかへ向かって歩き始めた。



「る、流空!誰か…」



周りを見ても、応援団の人は休憩でどこかに行ってしまっているし、生徒会の人は校舎に入っていってしまった。


どうしよう…誰もいない…。


流空はずんずんと歩いていく。

引きずられるようにして、私も歩く。


そうして、流空は思い鉄の扉を開くと、その中に私を押し込んだ。



古いボールやモップのにおい。

流空が鉄の扉を閉めると、あたりは真っ暗になった。