* * *
ふうっと息をついて、生徒玄関の近くの階段に座る。
疲れたぁ…。
生徒会はやっぱり忙しい。
体育祭まで、こんなたくさん仕事があるなんて…。
校庭の方を見ると、応援団は練習が一段落したのか、各々水を飲んだり休憩したりと休み時間になっていた。
と、視界を鮮やかな紅が遮る。
「お仕事お疲れ、桜楽」
視界を遮った赤がしゃがむ。
赤色の袴がさぁっと揺れて、ハチマキと黒髪を撫でる汗が朝日にきらめく。
「お疲れ、流空団長」
「照れるな、その呼び方」
へへ、と笑った流空は、すっかり団長衣装が似合っている。
今年の優勝、第1候補の赤団。
それも流空による応援が実を結んだんだろう。
流空は見事に、応援団長としての仕事を全うしていた。