* * *



あの日から、もう二週間後。

私はいつもより早い早朝に、広々とした校庭を眺めていた。

いつもは遮るもの一つない校庭には、白いテントとレーンが立ち並んでいた。


今日は、体育祭当日。


緑陽中に来てから初めての、大イベントだ。



「生徒会ー!ちょっとこっち、手伝ってー!」

「あ、はーい!」



私は生徒会の仕事で学校のお手伝いをしている。


校庭では、応援団が最終調整と練習をしていた。

3色の袴とハチマキ。

応援団長だけが身につけられる色彩。


黄色と赤色の袴姿はグレーの校庭に映えて、よく見える。

2つの団は、体育祭当日ということで、やる気に満ちあふれていた。