「そうとも言ってられないよ…。ほら、C組の団長」
流空の指の先にあった名前は…。
『青団団長:碓氷祐月』
「えっ…」
思わず、息を止める。
そして一つ、腑に落ちた。
応援団の人たちが祐月がいなくて不安にしてたのは、団長だったからなんだ…。
祐月が、私達の団の、団長…。
応援団は、袴だったよね…。
袴姿の祐月を想像して、想像の中なのに思わず見惚れてしまう。
片思いのフィルターかもしれないけど、祐月はすごくカッコいいから、袴姿も映える。
「俺は…彼氏になるのは、無理だけど。友達としてそばにいるよ」
流空のその言葉で、ふと我に返った。
流空は、私の片思いを応援してくれている。
自分の恋を、捨ててまで…。
それだけ私のことを大切に思ってくれているってことがわかって、胸が暖かくなった。