* * *




給食の時間。

祐月のいない学校生活はどこか味気なくて、私はぼうっとしながら手を洗っていた。



「どうしたの、桜楽?元気ないけど」



ひょっこりと顔を出して、私の顔を覗き込む、見慣れた顔。

こういう時祐月がいないと、私の変化に一番に気づくのは流空だ。

私のことをよく見ているとわかって、少し安心できる。




「…祐月、来てないんだよなぁ」



残念そうに、流空がつぶやく。


二人は仲が良かったっけ。

私はそう思いながら流空を見て、「よく気づくね」と笑った。




「祐月は俺の親友だから」



そう微笑む彼に、他意は見られない。

流空も祐月のことを大切にしてるんだな。