祐月のことを嫌っていた人が多かった小学校と違って、今、祐月は人気者に近い。
だから、好きな人ができても不思議はなかった。
こんなになるまで何もできなかった私が、情けない。
違う。悔しい。
一番長い付き合いだった。一番仲が良かった。祐月のこと、何だって知っていた。
この地位に、幼馴染ってことにあぐらをかいて…何もしてこなかったことが悔やまれる。
何だって知っていたなら、わかっただろうに。
祐月がモテるってこと。どうしてわからなかったんだろう。
もう馬鹿みたい。
涙が溢れて止まらない。体中の水分が吸い取られてしまったみたいに、止まらない。
スマホは自動的に電源を落としていた。
既読が付いただけのメッセージを、祐月はどんな気持ちで眺めていただろう。
断られてもいいという覚悟は、一瞬で過ぎ去った。
離れたくない、近くに居たい。
祐月の彼女は私がいい。
だけど、祐月が嫌って言うなら…。