祐月、だけ。


急いで通知を探して、祐月のメッセージを開く。

 卒業式の日に、祐月がスマホを持って来ていて…嬉しそうに、こう言った。




『桜楽が、俺の連絡先交換第一号』





私も嬉しくて、すぐに連絡先を交換した。

好きなカードゲームのアカウント画像にしている祐月が、なんだか可愛らしくて、思わず笑ってしまったら、祐月は…。



『笑うなよっ!』



頬を膨らませて、私の頭を軽くはたいた。

やっぱり、祐月との思い出は全部覚えている。


このメッセージ画面は、持ち物を聞かれて一回使っただけだけど…これからは、別の子に聞くのかな。


祐月も、私も。


気まずくなって、話せなくなって。

そんなの、嫌。絶対に嫌だ。寂しい。寂しいのは、嫌だ。

 告白なんて、しなければよかった。


関係を壊すかもしれないことなんて、しなければよかった。

私は祐月の幼馴染で…自尊気味だけど、「特別」だった。

それだけで、良かったのに…。