* * *




side.桜楽



 「はぁ…」




たくさんの感情が混じり合ったため息が、口から漏れる。

嬉しさ、喜び、寂しさ、悔しさ、怒り、恋…。

色々な感情が複雑に混じり合ってしまった、もう何が何だかわからない。


 家について、部屋に入った途端に漏れたため息は、私が思っていた以上に大きかった。

リュックを下ろして、宿題を取り出そうとする…けど、やる気が出ない。


 仕方なくベッドにダイブして、脇机に置いてあったスマホを手に取る。

重たい指を動かし、パスワードを解くと、小学校のクラスメイト全員で撮った自撮りのホーム画面が現れた。

一人づつ目で追っていくと、やはり一人の少年で目が留まる。

なんで毎回、こうやって見てしまうんだろう。


 身長が高く、少しパーマのかかった癖っ毛の少年。私と一緒に決めポーズをしていて、距離が近くて、すごく仲が良いってことが、一目でわかってしまう。