答えは、簡単だ。桜楽が魅力的すぎた。 桜楽は俺の心そのもの。 誰にも渡したくないのに、俺は桜楽にふさわしくない。 桜楽と並ぶ、俺の未来が見えない。 その代わりに、と脳裏に流空の顔が浮かぶ。 二人が恋人のように笑いながら、寄り添い合っている情景。思い浮かべるだけで、嫉妬で頭がおかしくなりそうだ。 だけど、俺と恋人になって、桜楽を苦しめるぐらいなら…。 俺は涙を拭って、スマホに手を伸ばした。