桜楽はきっと、そんなこと気にしないと言うだろう。
祐月の気持ちを知りたいと―――そう言ってくれる。
だけど、俺が、その恐怖に立ち向かえなかった。
ああ、こんな弱いところも、桜楽にふさわしくない。
また、また、また。釣り合わない場所が、増えていく。
気がつけば、震える声で、俺の心の一番奥にあった「結論」が導き出されていた。
「俺は…桜楽に、ふさわしくないっ…」
口にした途端、また涙が溢れ出す。
泣いてしまうのは、一体何年ぶりだろう。
もしかしたら、桜楽に救われたあの日以来かもしれない。
自分で言って苦しいなんて…バカみたいだ…。
神様、と俺は落ち始めた夕陽を睨む。
苦しいだけの恋なら、なぜ俺は恋をしてしまったんだろうか…?