崇拝者のような、盲信者のような…危険をはらんだ美しい笑み。
一瞬で、こいつは危険人物だと俺のセンサーが反応した。
だからこそ、流空のことは一番に警戒してきた。
それなのに。
「桜楽の好きな人、お前だから!お幸せに〜」
それだけ告げて、さっさとA組に戻ってしまった流空。
俺は流空の言葉に唖然とするばかりだった。
他の奴なら、いつもの冷やかしだと流してしまえる。
が、流空となると話は別だ。
俺が言えることじゃないかもしれないけど、流空は俺が知る中で一番桜楽に執着していた人間。
俺が一番警戒していて、目を離した日はないほど。
多分、あいつは…いわゆる「ヤンデレ」とかいうタイプで、桜楽を手に入れるためには手段を選ばない。
それなのに、桜楽を溺愛してやまない流空が恋敵の俺に塩を送るか…?
流空が、わからない。
少なくとも、俺は絶対にしないから、流空の行動の真意がわからない。
どことなく…腑に落ちなかった。