「先輩!今月も営業成績トップですね!」

渚の後輩、小山内美々(おさないみみ)がそのぷくぷくな指を握りしめ、ガッツポーズをとった。

そしてもう片方の手には栄養補助食品であるチョコレートバー。

しかもそれを渚に話しかける直前まで口にしていたようで、今もまだ口元をもぐもぐと動かしている。

渚は右人差し指と親指でL字を作り、唇の下に当てて決めのポーズを取った。

「まあね。まだまだ稼ぐわよ。」

「よっ!渚先輩!我が社のエース!全女子社員の憧れ!」

「よしてよ。それは言い過ぎ・・・ってちょっと美々!あんた今度こそダイエットするって言ってたわよね。セクシーなタイトスカートが履きたいって騒いでなかったっけ?私、美々に似合うタイトスカートもう見つけてあるんだけど?・・・その口にしているものはなに?」

「なにって一本満足チョコバーですけど?」

「あんた、昼には大盛りカツ丼食べてたわよね?満足しまくってたわよね?」

「だってあれだけじゃお腹空いちゃいますよお。それにこれは栄養食品です。身体にいいんです。タンパク質だって補給できるしその他の栄養素も。しかもドラッグストアで安売りしてたんです。10本まとめて買っちゃいましたあ!」

美々は机の引き出しを開け、その戦利品を渚に見せつけた。

「買っちゃいましたあ!じゃないのよ。」

渚はどんっと美々の机に片手をついて目を釣り上げた。