・・・そう。結婚は人生の墓場というじゃない?

甘い恋愛から無事結婚式にこぎ着けても、それは決してゴールではない。

そこからがスタートなの。

恋も愛も結局は種をつなぐための遺伝子がなせる仕業。

奪われるは己の自由気ままな暮らし。

だから私は一生おひとり様でいいの。

自分のお金、自分の時間を、自分の為だけに使うの。

しかし・・・これらは全部、三十路を迎えても彼氏が出来ずいまだ独身でいる渚の、いつもの言い訳だった。

渚の本音はこうだ。

本当は早くいい男を見つけて結婚したい!

若さが失われる前にマーメイドラインのウエディングドレスを着て式を挙げ、ニューカレドニアへ新婚旅行へ行きたい!!

新築のデザイナーズマンションで彼と一緒にモーニングコーヒーを飲みたい!!!

ううん。贅沢は言わない。

せめて・・・せめて一瞬でもときめくような恋愛がしたいの。

私だけをみつめてくれる、そして私の全てを受け入れてくれる、優しい夫が欲しいだけなの。

そしたら夫へのお小遣いを出し惜しみなんてしない。

だって私もしっかり働いて稼ぐもの。

二人で働けばお金に困ることなんてないはずよ?

もちろん家事育児は夫にもしっかり担ってもらうけどね・・・。